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スピーチ原稿 Dr.ノルベルト・ライトホーファー BMW AG取締役会 会長 トヨタ自動車 豊田章男 代表取締役社長との共同記者会見 於 ミュンヘン市、BMWヴェルト、2012年6月29日
Fri Jun 29 13:00:00 CEST 2012 スピーチ
BMW AG取締役会会長Dr. ノルベルト・ライトホーファーのスピーチ原稿をご覧いただけます。
プレス担当者.
Miki Kurosu
BMW グループ
電話番号: +81-3-6259-8024
Fax: +81-3-6259-8009
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著者.
Miki Kurosu
BMW グループ
豊田社長、
内山田副会長、
皆さま。
BMWヴェルトへようこそいらっしゃいました。
本日は豊田社長にご同席いただけたこと、誠に光栄に存じます。
主要な事業所の拠点であることからもおわかりいただけると思いますが、当社はミュンヘン市を中心地とした会社です。例えば:
- グループ本社、
- 主力のミュンヘン工場、
- BMW博物館、そしてここ、
- BMWヴェルト。
いま皆さまがいらっしゃるBMWヴェルトでは世界各国でお客様がご購入された新車を毎日直接お渡ししております。
モビリティに対する情熱。当社を定義する特徴の一つであり、私どもの遺伝子に組み込まれていると言えます。そしてトヨタ自動車も同じ思いであると確信しております。
しかし、両社の共通点はまだまだ他にもあります:
- トヨタ自動車もBWMグループも常にベストであり続けようとします。
- 独立した企業であるため、両社とも長期的な視野で考え、行動することができます。
- 両社ともエンジニアリングが強みです。成果にただ満足することが決してありません。創造力、先駆的発想、そして新しいものに対する情熱が我々をかき立てます。
- 両社とも「行動力」そして何事も実行する心構えが企業文化に組み込まれています。柔軟性のある対応力は小さなことから始まります。例えば従業員個々の仕事に対する姿勢。そしてそれらが積み重なって組織構造やプロセスにまで浸透します。
- 両社ともそれぞれの母国に強く根ざしています。伝統の意味をよく理解しています。そして、それが世界での成功をもたらしているのです。
- 私自身にとり重要なことが一つあります;それは持続可能なモビリティが将来どうなり得るかにつき、戦略的ビジョンを両社で共有していることです。
個人のモビリティはこれからも人間にとり根源的なニーズであり続けます。多くの人にとり自動車のない生活など考えられません。
しかし、将来のモビリティは現在とは異なります。
モビリティはいくつもの世界的なメガトレンドの影響下にあります。例えば:
- 顧客趣向の変化、
- 都市化、
- 資源の枯渇、
- 規制の増加。
世界的なメガトレンドは様々な新しい、これまでと違ったチャレンジを突きつけてきます。
モビリティとその産業化は技術的な変革期にあります。BMWグループではこれを「象徴的変化」とよんでおります。
自動車産業がこれまで直面してきた変革の中で最も決定的なものではないかと信じております。
他の産業ではすでに同じような進展が見られます。例えば:
- タイプライターからラップトップパソコンそしてiPadへのシフト。
- アナログからデジタル写真へのシフト。
トヨタ自動車もBMWグループも世界の自動車業界の中で大きな成功を収めている中心的存在です。
両社ともそれぞれのセグメントで最も革新的であり、持続可能な自動車会社です。たとえば:
- トヨタ自動車がハイブリッド技術を世界的規模で飛躍的に普及させる中心的存在でした。
- BMWグループは最先端エンジン技術の開発やエモーショナルなブランドの創造とマネージメントのパイオニアです。
確信を持って言えることが一つあります:
両社は先駆的な企業、そして原動力としてこの象徴的変化を形づけていきます。そしてそのための行動は責任のある持続可能なものになります。
この変革を通じ、両社ともに業界をリードし続けていくことを可能にする大きな機会を得ています。
こういった背景により両社がノウハウを共有いたします。
では具体的なプランにつきご説明します。
両社が初めて合意に至ったのは昨年の12月です。その後、今年の3月に入り、リチュウムイオンバッテリー用のセル開発における共同基礎研究に関する正式契約を結びました。
バッテリーセルが持続可能なモビリティの重要な要素であることは周知の事実です。自動車の効率、航続距離そしてコストを左右するからです。
また当社は2014年以降に燃費効率の高い4気筒ディーゼルエンジンをトヨタモーターヨーロッパに供給します。
両社は次のステップに踏み出しました。
両社は持続可能な未来技術における競争力をさらに高めることを目標としており、それに向けて本日覚書に調印いたしました。
今後、以下の分野でさらなる協力関係を模索します。
- パワートレーンの電動化開発。
- 軽量化技術の研究。
- 燃料電池の開発。
- スポーツカーなどの将来の自動車の基本骨格。
BMWグループにとり、戦略的パートナーシップは当社のナンバー・ワン戦略の重要な要素です。長期にわたり新規顧客や新技術を開拓し続ける方策の一つだからです。
パートナーシップには3つの主な要件が不可欠です:
- 第一に相互信頼とコミットメントにもとづいていること。
- 第二にウイン・ウインであること。
- 第三にBMWグループの各ブランドのプレミアム性と独立性が損なわれないこと。
トヨタ自動車との協力関係は3つの要件をすべて満たしております。
豊田社長、本日はミュンヘンまでお越しいただき再度お礼を述べさせていただきます。両社が今後も協力関係を築いていくことを期待しております。
個人のモビリティを新時代に適応させていくことは楽しいと同時にチャレンジングな課題です。
未来を積極的に形作る機会を与えられたことを歓迎します。我々にはその力があると確信しております。
ともに業界の標準を築いていきます。
ご清聴ありがとうございます。