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カンヌ港で世界初公開:BMWとTYDEが「THE ICON」を発表

第76回カンヌ国際映画祭で公式発表+++BMWは、エミッション・フリー・モビリティと先進的ラグジュアリーを実現する革新的なソリューション開発において主導的な役割を果たす+++ BMWと船舶メーカーTYDEによる共同プロジェクト、デザイン・コンセプトはデザインワークスが担当+++BMW iの高電圧バッテリーが強力な電気駆動システムを提供+++映画音楽作曲家ハンス・ジマー氏の作品を収録したサウンドトラック

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ミュンヘン/カンヌ発:第76回カンヌ国際映画祭が開催中だが、中でも特に豪華なワールド・プレミアが、映画のスクリーンではなく南仏の港で繰り広げられている。BMWブランドと船舶メーカーTYDEが、「THE ICON」を発表するのだ。これは、水上で持続可能なモビリティを実現する新しいタイプの旗手となるだろう。「THE ICON」は、この種のものとしては初のバッテリー駆動の船舶で、ローカル・エミッション・フリーの旅と、喜びや楽しさを重視するラグジュアリーの両方を実現する。

 

全長13.15メートル、最高速度30ノットの「THE ICON」は、新しい地平を切り開くバッテリー駆動のまったく新しい船だ。BMWは、この先駆的な共同プロジェクトのためにアイデアを出し、コンセプトを開発した。BMWチームを中心に、モビリティのさまざまな分野の専門家たちが徹底的に知識を共有した成果が、この革新的プロジェクトだ。「THE ICON」のデザインを担当したのは、BMWグループの子会社で、ロサンゼルス、ミュンヘン、上海にスタジオを持つイノベーションの中心であるデザインワークスのクリエーターたちだ。そのコンセプトの開発と実現は、船舶メーカーのTYDEに託された。強力な電気駆動システムは、BMW iが提供する高電圧バッテリーからエネルギーを得る。また、たくさんの才能から生み出されたこの船の旅を彩るのは、才能ある映画音楽作曲家ハンス・ジマー氏による専用サウンドトラックだ。

 

BMWが示す持続可能なモビリティを推進する革新的コンセプト

BMWは、ここでも、「THE ICON」を支える先駆者として、道路交通だけでなく水上移動も含めた持続可能なモビリティへの包括的な取り組みを進める。さまざまな分野の技術力を結集して、人を中心とした画期的なソリューションを生み出している。

 

「THE ICON」には、未来を見据えたラグジュアリーの形が凝縮されている。この革新的な芸術品は、ユニークなデザインでアピールするとともに、乗客にまったく新しいモビリティ体験を提供する。船内では贅沢な雰囲気に包まれ、環境負荷を大幅に低減しながら、極上の快適さを堪能できる。

 

ヨットレースから生まれたイノベーションが水上での電動化と脱炭素を実現

「THE ICON」は、多くの面でこの分野の新しい標準となるバッテリー駆動システムを採用している。これまで、海上での電動モビリティは、航続距離が比較的短く、低速で小型の船舶に限られており、高速で航続距離の長い船舶分野では、内燃機関を搭載したモデルが主流となっていた。「THE ICON」は、電気駆動船舶の大きさ、最高速度、航続距離のこのような関係をくつがえした。

 

これを可能にしたのが、ヨットレースで培われた技術、ハイドロフォイルだ。これにより、従来の船体に比べてエネルギー消費を最大80%削減した。また、フォイル技術(水面下に水中翼という構造物があり、船体は水面上に浮いている)により、快適な推進と高速化を実現している。

 

100kWの電気モーター2基にBMW i3の6つのバッテリーから供給される240kWhのエネルギーが、50海里以上(約100km)という目を見張る航続距離を実現する。速度24ノット、最大速度は30ノット(55km/h)に達する。革新的な駆動システムとフォイル技術により、「THE ICON」は、振動や衝撃がなく、波も立てずにほぼ無音で前進する。

 

また、高音質を実現するドルビーアトモス・システムにより、船上で感動的な音の広がりを体験できるだろう。駆動システムの音と心地よく直感的な機能音からなるサウンド・コンセプトの開発については、アカデミー賞を2度受賞したハンス・ジマー氏に協力を仰いだ。ハリウッドの作曲家が生み出した革新的なサウンドトラックは、サステナブルな海の旅の楽しみに新たな境地を開くだろう。

 

「THE ICON」:デザインにも活かされる圧倒的なイノベーション

デザインチームは、「THE ICON」のユニークなコンセプトを、外観のインパクトから船内からの眺望に至るまで、象徴的な体験に具現化しようと試みた。フラットな船体と透明な構造物を支える主な支持要素からなるこの船舶のボディは、技術的に正確なデザイン言語によって形作られている。基本的な輪郭はプリズムのようなフォルムで、後部の幅は4.5メートルもある。そのため、広々とした入口から豪華なラウンジへ入ることができる。船体そのものは、折り紙で作ったような軽量構造が際立つ。フォイル技術により、非常にスムーズな航行が可能になったため、それを活かしてデザイナーたちは従来の船側を大きなガラス面に置き換えた。これにより、水面を滑空するような感覚で、非日常的な景色を楽しむことができる。船首と船尾に設置されたモダンなLEDライト・ストリップと充電接続ポイントは、「THE ICON」をその名のとおりアイコンにふさわしい存在にしている。

 

「THE ICON」:どんな港にも馴染む社交の場

角度のついたガラス扉からラウンジ・エリアに入ると、豪華なカーペットに芸術的な家具が置かれ、あたかも万華鏡のようだ。すべての家具は金属板を組み合わせて形成されており、その粒状の表面が海の波のように太陽光を床に反射させる。

 

乗る人の体験の中心となるのが360度回転するシートだ。タブレット型インフォテインメント・システムなど、必要なすべての機能を手元で利用できる。ほかの人々と交流を深めたいなら、簡単にシートの位置を変えることができる。この船はどんな港にも馴染む上質な社交の場となるだろう。

 

BMWインターフェイスで航海計器を1つのデジタル制御ユニットにまとめる

甲板の中央に位置する司令室は、舵や計器類に本格的なBMWデザインが採用されており、非常に魅力的だ。従来の一連の航海計器に代わるものとして、すべての重要な機能を1つのデジタル制御ユニットに搭載するというBMWインターフェイスを新たに解釈し直した。人間と機械をつなぐインターフェイスとして、6K解像度の32インチ・タッチスクリーン・ディスプレイと、BMW iDriveコントロール/オペレーション・システムのルック・アンド・フィールを採用した。BMWオペレーティング・システム8と連携することで、情報の可視化とデジタルでのやり取りに新たな次元が開かれ、航続距離情報や天気予報などの主要な機能を音声コマンドで呼び出すことも可能になる。

 

カンヌで初公開されたこの船舶はデザイン・スタディやコンセプトではなく、先駆的な技術を誇るすぐに量産可能な船である。「THE ICON」はプラットフォーム・コンセプトに基づき、エモーショナルな体験とインテリア・デザインの両面で、個人の希望やニーズに合わせて総合的に対応することが可能だ。現代的で都会的なライフスタイルに焦点を当て、高級志向の個人客から商業分野まで、海上交通の手段として活用できる。「THE ICON」をベースに製作された船舶は、水上でのエミッション・フリーのラグジュアリー・モビリティを加速させ、まったく新しい分野を切り開くだろう。目指すのは、環境を汚染せず、騒音もなく、快適性を極限まで高めたCO2フリーの水上モビリティの実現である。

 

「THE ICON」の特徴は、騒音も排気ガスも出さないパワフルな駆動システムだ。フォイル技術は、波を発生させず、後方に航跡を残さず、高速に到達することを可能にする。「THE ICON」が航海で残すのは楽しい旅の思い出だけだ。

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