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BMWグループ、需要の高さが不安定な環境下でも健全な利益率を達成
Thu May 04 09:12:00 CEST 2023 プレスリリース
ツィプセ:「魅力的な製品で世界中のお客様に感動を与えます」+++BMWグループEBTマージンは13.9%に+++自動車部門のEBTマージンは12.1%に上昇+++自動車部門で約20億ユーロのフリー・キャッシュ・フローを実現+++BMW BEVモデルの販売台数は112%増+++ボラティリティが続く中での2023年のガイダンスを確定
ミュンヘン発:最新の魅力的なポートフォリオと強力な製品構成により、BMWグループは2023年第1四半期も成功に向かって歩んでいる。当社の好調な営業成績はそのマージンから明白である。当四半期のグループのEBTマージンは13.9%となり、自動車部門のEBITマージンは12.1%に増加した。BMWグループの営業財務の強さは、自動車部門の19億8,100万ユーロのフリー・キャッシュ・フローにも表れている。
人気の高いプレミアム・カーを擁するBMWグループは、多くの自動車市場が好調に推移し、新車・中古車ともに安定した価格設定が続いていることから恩恵を受けた。電気自動車の製品ラインアップや、市場で最も新しいモデルの一つである上級クラスのモデルが販売を牽引した。BMW BEVモデルの販売台数は、2倍以上の55,979台となった(2022年:26,362台/112.3%増)。
BMW AG取締役会会長 オリバー・ツィプセは、木曜日にミュンヘンで次のように語った。「当四半期では、厳しい環境が続く中、魅力的な製品こそが最良の答えだとわかりました。電気自動車と、最先端の燃焼技術を搭載した新しいモデル・ラインアップが、世界中のお客様を惹きつけている。高い柔軟性と高い業績が、逆風に直面してもBMWグループが継続的に成功を収める基盤となっています」
電動化モデルが販売台数の伸びを牽引
BMWグループは、電動化車両のラインアップを計画的に拡大している。2023年第1四半期には、総販売台数に占めるBEVのシェアが11.0%増となり(2022年:5.9%/84.6%増)、電動化モデルの数は19.0%に上昇した。2023年通年では、総販売台数に占める完全電気自動車のシェアが15%に達すると見込まれる。
全体では、第1四半期の電動化車両(BEVおよびPHEVモデル)の納車台数は110,486台に増加(2022年:89,669台/23.2%増)。BMW i4スポーツクーペやプラグイン・ハイブリッドX5が販売を牽引したが、BMW iX3やMINI Cooper SEも依然として販売は順調であった。完全電気自動車のBMW i7ラグジュアリーセダン、BMW iX1、BMW XMプラグイン・ハイブリッドは、いずれも市場投入に成功した。
完全電気自動車(BEV)は特に需要の伸びが大きく、納車台数は合計64,647台であった(2022年:35,289台/83.2%増)。BMWグループは、予定通り電動化モデルのラインアップを拡充しており、完全電気自動車のBMW i5とBMW iX2は、年末に向けて市場に投入される予定である。これにより、2023年にはBMWグループの主要シリーズすべてにおいて、少なくともひとつのモデルは完全電気駆動となる。2024年には当社の新車のうち少なくとも5台に1台、2025年には4台に1台がBEVとなる予定である。
2023年の成長の主な牽引役は、完全電気自動車(BEV)と上位プレミアム・セグメントのモデルとなるだろう。例えば、新型BMW 7シリーズ、BMW XM、Rolls-Royceモデルファミリー、刷新したBMW X7とBMW X5 M、およびX6 Mモデルの刷新などである。
上位セグメントについて、BMWグループは今会計年度の成長率を2桁台半ばと見込んでおり、BEVモデルは2桁台後半の高い成長率が期待できる。2023年の自動車部門における全世界の納車台数は微増すると予測している。
BMWグループの売上高は自動車市場の旺盛な需要から恩恵を受ける
2023年第1四半期の販売台数は合計588,138台となった(2022年:596,907台/1.5%減)。BMWブランドは、1~3月期に517,957台を顧客に納車した(2022年:519,796台/0.4%減)。特に、BMW Mモデルは今期も高い需要があり、納車台数は18.9%増の46,430台と大幅に増加した。主な成長要因は、完全電気自動車であるBMW M Performance i4 M50である。
最近発売された新型M3 Touringも非常に高い需要があり、すでに市場に定着しているBMW M3セダンやBMW M4も同様である。X5 M、X6 M、およびX5、X6 M60i、BMW M2 Coupéの刷新済みモデルの販売開始は今後数カ月以内の予定である。
Rolls-Royce は、昨年の好調な第1四半期を再び上回り、1,640台を顧客に納車した(2022年:1,624台/1.0%増)。最も需要が高いモデルはRolls-Royce CullinanとGhostだった。2023年末には完全電気自動車のRolls-Royce Spectreが市場に投入され、さらなる販売の加速が期待される。
MINIブランドの販売台数は68,541台だった(2022年:75,487台/9.2%減)。電動化モデルMINI Cooper SEとMINI Countrymanのプラグイン・ハイブリッドモデルが、MINI全体の販売に占めるシェアを再び拡大して19%に達した。限定車であるMINI Cooper SE Convertibleの市場投入は、ブランドの完全電動化に向けた新たな戦略的ステップとなる。
BMWグループのグローバルでバランスの取れた地位により、第1四半期には世界各地で他社とは一線を画す売上高の伸びを享受した。例えば、米州および米国では、再び大幅な納車台数の伸びを記録した。米州では、BMWグループの第1四半期の販売台数は8.8%増の107,855台(2022年:99,169台)、米国では90,174台となった(2022年:80,974台/11.4%増)。
継続するインフレと高金利という環境下にあった欧州において、BMWグループは合計216,270台を納車した(2022年:220,393台/1.9%減)。安定した新規受注と2023年後半までの受注残高により、第1四半期におけるBMWグループは欧州地域で確固たる地位を示した。
中国におけるコロナウイルス流行の余波は、BMWグループのアジアにおける3カ月間の事業展開に影響を及ぼした。販売台数はアジアでは251,927台(2022年:265,065台/5.0%減)、中国では195,100台(2022年:208,953台/6.6%減)。電動化モデルの販売台数は79%増の22,390台となった。
BMWグループの納車数の増加傾向は3月に明確になり、全世界で4月も継続した。
2022年第1四半期の完全子会社化は比較対象となる
2023年第1四半期は、BBAの営業利益が全額かつ一貫して計上され、前年同期は2022年2月11日以降のみ計上されており、前年同期との比較にあたってはこの点を考慮する必要がある。自動車部門のEBITには、2022年および2023年の金額が異なる子会社化の効果も含まれる。
前年同期のBBAの完全子会社化に伴いグループ売上高が大幅に増加
BMWグループの第1四半期の売上高は、再び大幅に増加し、368億5,300万ユーロとなった(2022年:311億4,200万ユーロ/18.3%増)。これは主に、BMW Brilliance Automotive Ltd.(BBA)の事業が自動車部門に完全に統合されたこと、ならびに堅調な価格と良好な製品構成が継続したことによる。材料価格の上昇および生産量の増加にともなう製造コストの上昇により、売上原価は前年同期に比べ増加した。
グループの研究開発費の合計は15億5,400万ユーロ(2022年:13億9,100万ユーロ/11.7%増)となり、前年を大幅に上回った。新型車、およびラインアップのさらなる電動化・デジタル化を中心に経費を割り当てた。
研究開発費の割合(ドイツ商法に基づく)は、増収により4.2%に低下した(2022年:4.5%)
BMWグループの資本支出は13億2,800万ユーロに増加し、電動化とデジタル化という将来の課題を焦点に、新モデルと構造に振り向けられた(2022年:10億9,800万ユーロ/20.9%増)。これらの投資は営業キャッシュ・フローから調達した。設備投資比率は3.6%(2022年:3.5%)。なお、通期では6%程度となる見込みである。
2022年の完全子会社化に伴い業績およびグループ損益が悪化
前年同期には、BBAの完全子会社化による一時的な効果が、BMWグループの業績とグループ利益を大幅に押し上げた。このベース効果により、両指標は2023年第1四半期に大きく低下している。報告期間の財務結果は2億4,600万ユーロの減少となった(2022年:88億3,600万ユーロ)、グループの税引前利益(EBT)は合計51億2,900万ユーロであった(2022年:122億2,700万ユーロ)。2023年第1四半期のグループのEBTマージンは13.9%(2022年:39.3%)、グループ純利益は36億6,200万ユーロとなった(2022年:101億8,500万ユーロ、64.0%減)。
株式の買戻し:BMW AGは株式資本の3.23%に相当する株式を保有
BMWグループは、2022年の年次総会で付与された権限に基づき、遅くとも2023年半ばには20億ユーロを上限とする自社株買いプログラムを完了する予定である。その後すぐに20億ユーロの追加的な自社株買いプログラムを開始し、遅くとも2025年12月31日までに完了する予定である。強固なバランスシートとフリー・キャッシュ・フローをもたらす好調な業績が、自社株買いを継続する基盤となる。2023年3月31日現在、当社は名目価額21,368,120ユーロの自己株式21,368,120株を保有。保有株式は決議時点の株式資本の3.23%に相当する。
自動車部門の財務数値が上昇
売上高は、主にBBAの完全子会社化により、312億6,800万ユーロと大幅に増加(2022年:267億2,600万ユーロ/17.0%増)。また、新車・中古車ともに堅調な価格設定が継続し、製品構成の効果も相まって収益を押し上げた。
第1四半期の決算前利益(EBIT)は37億7,700万ユーロとなった(2022年:23億6,700万ユーロ/59.6%増)。自動車部門の好調さは、EBITマージンが12.1%(2022年:8.9%)であったことからも明らかである。BBAの完全子会社化の影響を除いたEBITマージンは13.2%であった。
財務責任者のニコラス・ペーターは次のように述べた。「不安定な状況が続く中、このようなマージンを達成することができました。地政学的・マクロ経済的な状況は、依然として予測不能であり、緊迫しています。主要市場のインフレ率や金利は高く、材料価格・商品価格も同様です。しかし、私たちには優位性があります。当社の戦略は首尾一貫しており、魅力的な製品ポートフォリオは新鮮かつ革新的であり、最近の取り組みによって柔軟性と回復力が向上しました。これは、今後数カ月間、私たちの強みと自信となります」
自動車部門のフリー・キャッシュ・フローは、合計19億8,100万ユーロ(2022年:48億1,600万ユーロ)。季節的な在庫の増加は、第1四半期のフリー・キャッシュ・フローに影響を与えた。BMWグループは、自動車部門のフリー・キャッシュ・フローを通年で約70億ユーロとすることを目標としている。
激しい競争の中でも成功を収めたファイナンシャル・サービス
BMW Group Financial Servicesのファイナンスおよびリース事業は年初3カ月間にかなりの競争に直面し、特に、多くの市場における高金利の継続やインフレに伴う価格上昇など、マクロ経済的要因の影響を受けた。自動車関連事業における価格上昇と製品構成の改善により、第1四半期の1台あたりの平均融資額は増加した。最終顧客との新規取引高は127億8,800万ユーロとなった(2022年:148億7,500万ユーロ/14.0%減)。
中古車市場が好調に推移し、リース終了車の販売による収入が引き続き高水準であったこと、および安定したリスク状況が当部門の業績に好影響を与えた。
ファイナンシャル・サービス部門の税引前利益は、2023年第1四半期に9億4,500万ユーロを計上した(2022年:10億700万ユーロ/6.2%減)。
BMWグループの新車のうち、ファイナンシャル・サービス部門がリースまたは融資した車両の割合は、第1四半期に36.5%となった(2022年:46.8%/10.3%ポイント減)。
二輪車部門の納車台数と売上高が増加
二輪車部門は、創立100周年の第1四半期に過去最高を更新した。BMW Motorradは、モーターサイクルおよびスクーターを合計47,935台納車し、第1四半期に過去最高の販売台数を記録した(2022年:47,403台、1.1%増)。M 1000 Rのような魅力的な新モデルを含む魅力的な製品ラインアップが、この部門の成長戦略の成功を裏付ける。
好調な業績が財務上の主要数値の大幅な上昇につながった。売上高は9億3,300万ユーロに上昇(2022年:7億9,900万ユーロ/16.8%増)。部門のEBITは42.6%増の1億5,400万ユーロ(2022年:1億800万ユーロ)、EBITマージンは16.5%に上昇した(2022年:13.5%/3%ポイント増)。
BMWグループは高いボラティリティにもかかわらずガイダンスを確定
多くの市場で景気後退の傾向が見られるものの、2023年の世界の自動車市場は安定した発展が予測される。欧州では、第1四半期の受注が好調に推移したことから、市場全体として若干の成長が見込まれる。しかし、高いインフレ率と金利が不透明感を生み、欧州の消費者に重くのしかかる状況が続いている。
米国では、堅調な販売状況が継続すると思われる。中国では、新型コロナの流行が一段落し、経済と自動車市場は年内に安定化すると予想されるが、競争の激化も予想される。
魅力的なプレミアム・カーに対する世界的な強い需要に支えられ、BMWグループは今年のガイダンスを確定することができ、2023年には世界中の顧客への納車台数がわずかながらも増加すると見込んでいる。
BMWグループに恩恵をもたらしている新車・中古車市場の安定した価格状況は、年内に正常化すると思われる。サプライチェーンのレジリエンスが高まることで車両の入手可能性は改善するが、競争の激化につながると考えられる。
BMWグループは、多くの市場において、高いインフレ率と金利が消費者の負担となっており、そこから生じる不確実性を認識している。また、電池原料を中心とした工業用金属価格の高止まりにより、製造コストは高水準で推移すると見込んでいる。
さらに、サプライチェーンや物流、エネルギー価格の高止まりなどが、コスト面での逆風となる可能性がある。インフレの影響により、人件費および外部サービスのコストが年度を通じて増加すると予想される。
上記の動向を考慮し、BMWグループの予測では、自動車部門の通年のEBITマージンは8~10%となると見込まれる。これには子会社化による15億ユーロの影響が含まれており、これはEBITマージンに約1%の影響を及ぼす。
二輪車部門は販売台数の若干の増加を見込んでいる。EBITマージンは8~10%の目標範囲内で推移すると見込まれる。ファイナンシャル・サービス部門の自己資本利益率(RoE)は14~17%を見込んでいる。
グループの税引前利益は大幅な減少が見込まれる。これらの目標は従業員数が若干増加しても達成されるだろう。
ただし、地政学的およびマクロ経済的な状況が大幅に悪化しないことが基本的な前提である。このガイダンスでは、BMWグループの主要販売市場における深刻な景気後退の可能性や、ロシアとウクライナの紛争がさらに激化し、戦火が拡大する可能性は考慮していない。
BMWグループは現在の業績に基づき、将来に的を絞った投資を継続し、エミッション・フリーのモビリティへと移行しながら、成功の道を走り続ける。
BMWグループ – 概要 | 2023年 第1四半期 | 2022年 第1四半期 | 変動率(%) |
納車台数 |
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自動車 1 台 | 588,138 | 596,907 | -1.5 |
内訳:BMW 台 | 517,957 | 519,796 | -0.4 |
MINl 台 | 68,541 | 75,487 | -9.2 |
ロールス・ロイス 台 | 1,640 | 1,624 | 1.0 |
モーターサイクル 台 | 47,935 | 47,403 | 1.1 |
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従業員数 (2022年12月31日時点との比較) | 149,475 | 118,909 | 25.7 |
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自動車部門EBIT率 % | 12.1 | 8.9 | -3.2%ポイント |
モーターサイクル部門EBIT率 % | 16.5 | 13.5 | -3.0%ポイント |
EBTマージン(BMWグループ) 2 % | 13.9 | 39.3 | ‐ 64.6 |
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売上高 百万ユーロ | 36,853 | 31,142 | 18.3 |
内訳:自動車 百万ユーロ | 31,268 | 26,728 | 17.0 |
モーターサイクル 百万ユーロ | 933 | 799 | 16.8 |
ファイナンシャル・サービス 百万ユーロ | 8,826 | 8,486 | 4.0 |
その他の事業 百万ユーロ | 3 | 1 | ‐ |
連結調整 百万ユーロ | -4,177 | -4,870 | -14.2 |
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支払金利前税引前利益(EBIT) 百万ユーロ | 5,375 | 3,391 | 58.5 |
内訳:自動車 百万ユーロ | 3,777 | 2,367 | 59.6 |
モーターサイクル 百万ユーロ | 154 | 108 | 42.6 |
ファイナンシャル・サービス 百万ユーロ | 958 | 966 | -0.8 |
その他の事業 百万ユーロ | -4 | -32 | 87.5 |
連結調整 百万ユーロ | 490 | -18 | ‐ |
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税引前利益(EBT) 百万ユーロ | 5,129 | 12,227 | ‐ 58.1 |
内訳:自動車 百万ユーロ | 3,828 | 10,420 | ‐63.3 |
モーターサイクル 百万ユーロ | 154 | 109 | 41.3 |
ファイナンシャル・サービス 百万ユーロ | 945 | 1,007 | -6.2 |
その他の事業 百万ユーロ | ‐128 | 685 | ‐ |
連結調整 百万ユーロ | 330 | 6 | ‐ |
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法人税 百万ユーロ | - 1,467 | - 2,047 | 28.2 |
純利益 百万ユーロ | 3,662 | 10,185 | ‐64.0 |
1 株当たり利益 (普通株/優先株) ユーロ | 5.31/5.31 | 15.33/15.33 | ‐ 65.4/ ‐ 65.4 |
1 合弁会社BMW Brilliance Automotive Ltd.(瀋陽)の台数を含む(2022年1月1日~2月10日まで:9万6,133台、2021年:65万1,236台、2020年:60万2,247台、2019年:53万8,612台、2018年:45万5,581台、2017年:38万5,705台)。
2グループ売上高に対するグループ税引前利益の比率