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MINIに新しいダブル・クラッチ・トランスミッションを導入
Tue Dec 19 23:45:00 CET 2017 プレスリリース
MINI 3ドア、MINI 5ドア、MINIコンバーチブルに新たに搭載:ダブル・クラッチ付き7速オートマチック・ステップトロニックでトラクションの途切れのない加速を実現
- MINI 3 ドア、 MINI 5 ドア、 MINI コンバーチブルに新たに搭載:ダブル・クラッチ付き 7 速オートマチック・ステップトロニックでトラクションの途切れのない加速を実現
ミュンヘン発
イギリスのプレミアム車メーカーであるMINIは、コンパクト・クラス・セグメントの現行モデルのスポーツ性能に磨きをかける新しいトランスミッション・バリエーションを導入する。MINI 3ドア、MINI 5ドア、およびMINIコンバーチブルにとって初めてのダブル・クラッチ付き7速オートマチック・トランスミッションのステップトロニックは、非常に高速のギヤ・チェンジ、高度のシフト快適性、そして最適な効率性を特徴とする。このATは、特定のエンジン出力クラスのモデルに、標準装備の6速マニュアル・トランスミッションに代わるものとして提供される。新しいダブル・クラッチ・トランスミッションはシフト・ダイナミクスが非常に大きく、ATならではの快適シフト操作に加えて、一段と高度の駆けぬける歓びを楽しめる。
ダブル・クラッチ・トランスミッションは、デザインが一新され、走行モード「D」、ニュートラル位置「N」、リバース・ギア間でのシフト切り換え後、その都度初期位置に戻るエレクトロニック・セレクター・レバーで操作する。パーキング・ロックはPボタンを押してセットする方式である。セレクター・レバーを「D」位置から左に操作すると、「S」モードが有効になる。このモードはひときわスポーティな走りをサポートするもので、走行ステージ選択への手動介入にも対応している。MINIに提供される新しいダブル・クラッチ・トランスミッションの電子コントローラーはまた、ナビゲーション・データ支援のシフト・ストラテジーを含むほか、燃料消費率と排出ガス値低減のため、オート・スタート/ストップ機能とアイドリング時クルーズ機能をサポートしている。
モータースポーツ発の技術をベースに、一般路上でより大きな駆けぬける歓びを体験できるようにするための機能原理
ダブル・クラッチ・トランスミッションは構造原理的にモータースポーツの血統をそのまま受け継いでいる。シフト・アップ時にトラクション伝達が中断されることがなく、路上でMINIをサーキットさながらにダイナミックに加速することができる。ドライバーがアクセル・ペダルを踏み続けていれば、トランスミッション・コントローラーが1秒の何分の1かの短時間内に正確にシフト・ポイントを設定するため、継続的な加速に最適な接続回転数が得られる。
こうしたことが可能なのは、新しいダブル・クラッチ・トランスミッションの独特の構成ゆえである。このトランスミッションは、2個のサブ・トランスミッションを一体化して実現された。システムのコア・エレメントを形成するのは2個の油冷式湿式クラッチで、その片方は偶数番の変速ステージ(2、4、6)を、他方は奇数番の変速ステージ(1、3、5、7)とリバース・ギアを受け持つ。走行中は、両方のクラッチのうち、一方が閉じ、他方は開いている。シフト・アップまたはシフト・ダウンするときは、両方のクラッチが交互に噛み合う。その際、最初のクラッチの開動作と2番目のクラッチの閉動作は同時並行的に行われる。
たとえば、MINIを3速で加速すると、対応するクラッチと奇数番の変速ステージを受け持つサブ・トランスミッション間でフォース・カップリングが形成される。と同時にトランスミッション・コントローラーは、次のギヤ比、この場合は4速への切り換えに備えて、偶数番の変速ステージを受け持つサブ・トランスミッションにスタンバイ命令を出す。シフト・アップするには、3速のクラッチを開き、4速のクラッチを閉じさえすればよい。この開閉操作は同時進行で行われ、マニュアル・トランスミッション車でクラッチ・ペダルを操作するのに要するのと同程度の時間内に、トラクション伝達の中断を来すことなく完了する。
トランスミッション・コントローラーが正しいギヤ比を常に認識
新しいダブル・クラッチ・トランスミッションの電子コントローラーは、ドライバーの希望と走行状況を常時分析し、次のシフト操作で選択すべきギヤ比を選択する。その際、評価されるのはアクセル・ペダル位置、エンジン回転数、車速、そしてMINIの走行プログラムである。このため走行状況の突然の変更にも、間髪を置かずに、適切に対応することができる。たとえば、加速を突如打ち切る必要に迫られた場合、ダブル・クラッチ・トランスミッションは1秒の何分の1かの短時間内にそれまで予定していた一段上のギヤ比に代えて、一段下のギヤ比を選択する。
両方のクラッチの開閉動作の同時進行は、ギヤ・シフトの高速化のみならず、調和のとれた加速/減速プロセスの実現に寄与する。音響的に見た場合、シフト操作が行われたことは、シフト前後のエンジン回転数の差に由来する動作音の違いからようやく分かる程度でしかない。他方、視覚的には、タコメーターの指針の位置が大きく変化することでシフト操作が行われたことが分かる。マニュアル・トランスミッション使用時によく経験する負荷変動も感じられない。
7 段変速がもたらす、より高度の駆けぬける歓びとより高度の快適性
標準装備の6速マニュアル・トランスミッションに比べ、ギヤ比が1段階増えたことの利点は、スポーツ性能だけでなく、走行快適性の面にも表れている。ダブル・クラッチ・トランスミッションではギヤ数が7段あるため、隣接する走行ステージ間の回転数の差を狭め、ギヤ・スプレッドを大きくすることができた。ダブル・クラッチ・トランスミッションの特徴であるエンジンとの直接連結もあって、回転数の差が小さいことは加速時の駆けぬける歓びの強化に役立っている。このことはモード「D」と「S」での自動シフトと、モード「M」での走行ステージへの手動介入操作に当てはまる。モード「S」では、エンジン回転数が上がるのを待ってギヤ・シフトが行われるため、シフト・ダイナミクスが一段と向上する。さらにモード「S」中にドライバーはとっさにマニュアル・シフトに移行できる。この場合、ギヤ比の手動選択はシーケンシャルに行われる。セレクター・レバーを前方に短く動かすとシフト・ダウンし、レバーを手前に軽く引くと一段上のギヤに切り換わる。
ATモードではまた、トランスミッション・コントローラーとMINIのナビゲーション・システム(オプション装備)をネットワーク化して駆けぬける歓びのさらなる向上を楽しむこともできる。この場合、ダブル・クラッチ・トランスミッションのコントローラーはナビゲーション・データを利用し、そのときどきの走行状況に合わせてシフト・ストラテジーを調整する。たとえば、急カーブや十字路が前方に迫ってくると、早めにシフト・ダウンし、エンジン・スリップ・トルクを減速のために利用する。また、2つの高速コーナーが連続している場合は、中間での無駄なシフト操作を避け、シフト・ダウンした状態を維持し、コーナー出口でパワフルな加速に理想的なギヤ比に切り換える、などである。
従来の自動トルク・コンバーター同様、ダブル・クラッチ・トランスミッションにもクリープ機能があり、発進時にドライバーがアクセル・ペダルを操作しなくても、車両はゆっくり動き始める。このため操車時や渋滞時の快適性が向上する。低回転域での走行中は、遠心ペンデュラム付きダブル・マス・フライホイールも快適性向上に貢献する。フライホイールは突然の負荷要求発生時の回転の揺らぎを吸収し、低回転域から加速する際の振動/音響快適性を高める働きをする。
オート・スタート/ストップ機能とクルージング・モードで効率性を最適化
このほか、7速ダブル・クラッチ・トランスミッションの電子コントローラーは、MINIの効率アップに寄与する数々の先端機能を備えている。たとえば、交差点で信号待ちのため停車すると、無駄な燃料消費を避けるため、このダブル・クラッチ・トランスミッションでもエンジンのオート・スタート/ストップ機能が作動する。
さらに、MINI走行モードでMIDまたはGREENモードを選択しているときに、クルージング機能を利用できる。ドライバーがアクセル・ペダルから足を離すと、ドライブ・トレインの連結が解除される。これにより、MINIがアイドリング回転数域にあるとき、エンジン・スリップ・トルクによる減速効果を受けることなく、最小限の燃料消費率で車両を惰走させることができる。車両のナビゲーション・システムまたはドライバー・アシスト・システムの装備状況によっては、クルーズ機能を走行条件により高い精度で合わせることができる。たとえば、MINIが前方の十字路に接近した、あるいは前走車との間隔が狭まったなどの理由から、ナビゲーション・データまたはカメラで捉えた画像をもとに制動する必要性があると車両が判断した場合に、コースティングを無効にしてエンジン・スリップ・トルクを減速のために利用することができる。