ニューＭ３クーペの特別オプションとして、SMG-Ⅱ（シーケンシャルＭトランスミッション）を設定

ビー・エム・ダブリュー株式会社（本社：千葉市美浜区中瀬1－10－2、会長：マンフレート・エルムリッヒ）では、ニューＭ３の特別オプションとして、Ｆ１レーシングカー
のテクノロジーをフィードバックして開発された新世代のトランスミッション「SMG-Ⅱ（シーケンシャルＭトランスミッション）」を希望小売価格 \430,000（消費
税含ます）で設定します。

SMG-Ⅱ（シーケンシャルＭトランスミッション）：
従来のＭ３（E36）の特別オプションとして設定されていたSMG-Ⅰをさらに改良した第２世代のシーケンシャル・トランスミッションです。作動原理は従来のSMG-Ⅰ同
様、油圧装置と各種センサーを統合したコントロール・ユニットで構成され、ミリ秒単位の素早い変速動作の実現と、より高知能化されたオートマチック・モードによる効率的な
変速と安全なドライビングを実現するものです。
改良されたSMG-Ⅱの大きな特徴の一つとして、従来のシフト・レバーによる変速機能に加えて、F1マシンと同様、ステアリング・ホイールに装着されたシフト・パドル・ス
イッチによる変速操作が可能になったことがあげられます。このパドル・スイッチ（またはシフト・レバー）によるマニュアル変速モードと、フルオートマチック変速モードの２
種類のシフト・モードが選択可能です。

オートマチック・モードとシーケンシャル・モード：
SMG-Ⅱのオートマチック・モード（Aモード）では、車輌の走行状態に適合する５つのシフト・プログラムを、またシーケンシャル・モード（Sモード）では、６つのシフ
ト・プログラムを選択することができます。モードの切り替えは、センター・コンソールにあるプログラム・セレクター・スイッチで行い、さらにモードごとに用意されているシ
フト・プログラムの選択もこのスイッチで行えます。選択された各シフト・モード／プログラムは、メーターパネル内に用意されている新デザインのシフト・ディスプレイに表示
されます。
エンジンとSMG-Ⅱトランスミッションの各センサー間のデータ通信は、SMG-Ⅱ専用のCAN（コントローラー・エリア・ネットワーク）バス回線を通じて制御されるた
め、従来のSMG-Ⅰに比べてシフト時のタイムラグが大幅に減少するなど、スポーツ性と快適性が格段に向上しました。

SMG-Ⅱのシフト・モードとシフト・プログラム：
■ オートマチック・モード（A）＝５つのプログラム＝A1（２速発進）～A5（スポーツ走行）
■ シーケンシャル・モード（S）＝６つのプログラム＝S1（コンフォート・シフト）～
S5（スポーツ・シフト）＋S6（レーシングスポーツ・シフト）
※ S6のレーシングスポーツ・シフトとは、フル・マニュアル操作によるレーシング・スタートを可能とするモードです。このプログラムのみは、DSC (ダイナミック・ス
タビリティ・コントロール)をオフにしてから行います。シーケンシャル･モードのみで有効なモードです。

SMG-Ⅱのシフト・プログラムの一例：
SMG-Ⅱのコントロール・ユニットには、さまざまなトランスミッション制御プログラムが組み込まれており、走行状況に合わせて最適なシフト・プログラムを選択し、M3モ
デルにふさわしいスポーツ性能と効率的な走行を実現します。

・ オートマチック・モードの場合、上り坂や下り坂にさしかかると、車両速度センサーや
前後方向加速度センサーなどからのデータを総合的に判断して、走行状況に合わせた適切なギア・ポジションやスロットル開度を選択し、さらに上り坂走行での不必要なシフト・
アップを防止したり、反対に下り坂ではエンジン・ブレーキ効果を高めるために適切なギア・ポジションまでシフト・ダウンするなど、知能的な制御を実現しました。

・ また高速道路での走行では、短時間のうちに頻繁にアクセル・ペダルを操作して、速度をコントロールする場合があります。通常のオートマチック車では、アクセル・ペダル
をゆるめると自動的にシフト・アップしてしまい、必要なエンジン・ブレーキの効果を利用できない、あるいは次の加速にすばやく移ることができない、といった状況が発生しま
す。SMG-Ⅱでは、アクセル・ペダルのセンサーを介して、このような運転操作の場合、アクセル・ペダルが素早く戻された（ファスト・オフ）ことを検知して、シフト・アッ
プを抑制します。これによりエンジン・ブレーキが有効となり、頻繁なブレーキ操作に頼らない車速制御により、円滑で安全な走行やブレーキの摩耗を抑えたり、必要なときには
すばやい加速を実現します。

・ シーケンシャル・モードでは、ステアリングのパドル・スイッチを連続操作することで、任意のギアポジションまで一息に切り替える（ジャンプ・シフト）ことも可能です。
たとえば、シフト・パドルを素早く２回操作すると、SMG-Ⅱでは1回目のシフト操作指令を中断し、２回目の操作に従ってギア・チェンジを実行します。

・ また、車速が落ちているのにドライバーがシフト・ダウン操作を忘れている場合、SMG-Ⅱではあらかじめ設定されている車速限界値を下回ったときに自動的にシフト・ダ
ウンを実施し、このあとの加速をスムーズに行えるよう制御します。さらに停車する直前には、SMG-Ⅱが自動的に１速ギアを選択して、クラッチを解除します。

このようにSMG-Ⅱでは、オートマチック・モードとシーケンシャル・モードを実現しただけでなく、さまざまに高知能化された変速プログラムや、コーナーリング時にも有効
なシフトアップ抑制／ファストオフ検知などのユーティリティ制御、坂道発進のアシストやエンジン始動時のフェイル・セーフ、停車時の安全機能や雪道走行での専用プログラム
など、あらゆる走行状況に対応する効率的かつ安全な動力伝達を目的とした包括的かつ高度な制御プログラムを組み込んでいます｡